当院の矯正治療について
当院ではお子様から成人の方まで、院長が行っています。一般的なマルチブラケット装置を中心に行っており、その治療法の基本を大切にした上で、新しい治療法も積極的に取り入れ、様々な症例に対応しています。 最近では、歯列矯正用アタッチメント(カリエールモーション3D)を導入致しました。適応症は限られますが、日本人に多く見られる叢生(乱ぐい歯・八重歯)、上顎前突(出っ歯)等に対して効果的で、装置も奥歯だけの簡単なものなので、患者様もこれまでより抵抗なく矯正治療を受けやすくなると思います。
歯列矯正用アタッチメント
(カリエールモーション3D)とは
この装置は、上顎犬歯と奥歯のみに装置を付け、患者様にはゴムを掛けていただきます。ゴムの力により上顎犬歯から奥歯の4~5本を、同時に後ろへ動かすことができます。奥歯を後ろの本来の位置まで動かすのに、一般的に3~6カ月かかります。 奥歯の噛み合わせ改善後は、この装置をはずし一般的なマルチブラケット装置やマウスピース型矯正装置に付け替え、今度は主に前歯の改善をして仕上げていきます。
適応症は限られていますが、日本人に多い上顎前突(出っ歯)や叢生(乱ぐい歯・八重歯)等に効果的です。また顎を側方に拡大することなく、非抜歯での治療の可能性が高くなります。装置も奥歯だけの単純なものなので、子供から成人まで装置に対する抵抗も少なくなり、治療も受け易くなると思います。
歯列矯正用アタッチメント(カリエールモーション3D)のメリットとデメリット
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Merit 01上顎犬歯から臼歯を、
同時に遠心移動できる上顎犬歯から臼歯まで4~5本を同時に、3~6カ月で遠心移動することが出来ます。また患者様の負担も、ゴムをかけるだけなので少なくて済みます。
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Merit 02顎を側方拡大しない
基本的には顎を側方拡大しないため、矯正後の後戻りの問題も少なくなります。
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Merit 03非抜歯での治療の
可能性が高くできる以前は抜歯しなければ治せなかったケースでも、非抜歯で治せる可能性が高くなります。
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Merit 04犬歯から臼歯だけの
簡単な装置犬歯と臼歯だけの簡単な装置なので、お子様から大人まで装置に対する抵抗が少なくなり、矯正を受け入れ易くなります。さらに最近では、クリアな装置も発売されています。
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Demerit 01適応症が限られる
下顎前歯に強い叢生(乱ぐい歯)のあるケース、下顎前歯が前傾しているケースなどでは、使用できないことがあります。但し、抜歯ケースにおいて最初の臼歯関係の改善目的であれば使用できます。
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Demerit 02患者様の協力が必要
ゴムの力で歯が動きますので、患者様のゴムの使用状態が悪いと、治療期間が延びたり予定通り動かないことがあります。
不正咬合について
下の写真で「これって私かも?」「うちの子の口に似てる…」など思い当たるものはございますか?歯並びが悪いといってもそれぞれ種類があり、一目見ただけではわからないものもあります。歯並びが悪く、歯同士が嚙み合っていないと、虫歯リスクが高まったり、食事をうまく噛み砕けず栄養吸収が出来ないなど問題もあります。気になる方、ご心配な方は一度ご相談ください。
治療時期について
矯正治療は子供(4歳頃)から成人(18歳以上)まで、行うことができます。不正咬合の状態により矯正時期は変わりますが、基本的には年齢により二段階に分けた治療を行います。
第Ⅰ期治療(早期治療)は、乳歯列期や混合歯列期の時期です。最も多いのが7~8歳頃で、上下顎前歯の永久歯が4本ずつ萌出した時期です。この時期には骨格的な問題があれば改善し、また前歯と臼歯の位置関係を改善しこれから萌出する側方永久歯の環境を整えておく、限局矯正を行います。但し、反対咬合(受け口)、交叉咬合や開口などは、骨格的な不正に移行し易いため、早めに治療した方が良いとされています。
第Ⅱ期治療(本格治療)は12歳前後以降で、全ての乳歯が永久歯に交換した時期です。この時期には、マルチブラケット装置により全体的な歯の本格矯正を行います。
成人矯正(18歳以上)は、基本的には第二段階矯正治療と一緒です。20代、30代以降でも問題なく矯正することが可能です。特に最近では成人矯正と言う言葉が浸透し、社会人になってから、矯正治療を受けようという患者様が増えています。
第Ⅰ期治療
(早期治療)乳歯列期・混合歯列期(7~8歳)
第Ⅰ期治療(早期治療)とは、乳歯列期から混合歯列期に行う矯正です。
最も多いのが上下顎前歯の永久歯が4本づつ萌出した7~8歳頃で、不正咬合の状態によりますが、歯列の側方拡大や上顎臼歯の遠心移動、上下顎前歯の叢生や被害の改善などを行い、将来の骨格性への移行の予防や、将来萌出してくる側方永久歯のスペースの確保などを行います。
但し、反対咬合(受け口)、交叉咬合や開口などの不正咬合は、骨格性の問題に移行し易いいため、早めに治療したほうが良いとされています。 また第Ⅰ期治療は限局矯正であり、永久歯萌出後に第Ⅱ期治療(本格治療)の必要なことが多いのですが、それでも放置による骨格性不正咬合への予防、将来の非抜歯矯正への可能性が高くなること、また第Ⅱ期治療が容易になることが多いなどの利点を考えると、不正咬合の状態によりますが、重要な治療だと思われます。
第Ⅱ期治療
(本格治療)永久歯列期(12歳前後以降)
第Ⅱ期治療(本格矯正)とは、全ての乳歯が永久歯に交換した時期で、12歳前後以降です。
この時期には、マルチブラケット装置により、全ての歯の不正の改善を目的とした本格矯正を行います。また第二成長期の時期でもあり、歯牙だけでなく顎の成長をコントロールした治療も期待できます。
歯列矯正用アタッチメント(カリエールモーション3D)は、混合歯列期から成人まで使用できますが、最も効果的な使用時期は12歳前後の上顎第二大臼歯の萌出前で、上顎犬歯から大一臼歯を遠心移動し易くなります。
成人矯正18歳以降
基本的には第Ⅱ期治療(本格矯正)と一緒です。20代、30代以降でも問題なく矯正することが出来ます。違いとしては子どもの矯正と比べ、歯牙の動きが遅くなるため治療期間が少し長くなります。また成長はありませんので、骨格的な改善は不可能で、歯牙の移動による改善しか行えません。また歯周病に対する注意も必要になります。
歯列矯正用アタッチメント(カリエールモーション3D)は成人でも問題なく使用できます。遠心移動には子どもより少し期間が長くなりますが、装置が犬歯・臼歯のみで簡単で、装置への審美的抵抗を減少できるため、成人矯正にもかなり効果的だと思います。
矯正治療の流れ
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1. 受付
申込書・調査表の記入
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2. 初診相談
口腔内を診査した後に、矯正相談を行います。矯正の大まかな治療方針、装置の種類、治療期間、料金等に ついて丁寧に説明致します。
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3. 精密検査
初診相談後、口腔模型、口腔内写真、顔面写真、レントゲンオルソパントモグラム、レントゲンセファログラム撮影など、精密検査がすぐ必要な場合には検査を行ないます。所要時間は30分程です。その検査結果は約1~2週間後にわかります。
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4. 検査の結果報告
矯正の具体的な治療方針、装置の種類、治療期間、料金等について詳しく説明致します。矯正治療を行うかどうかの最終的相談が行われます。
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5. 矯正装置の装着
患者様の了解が得られたところで治療が開始されます。装置の種類により、一般に、2~3回で矯正装置が装着されます。
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6. 治療開始
装置装着後、月1回ほど定期的に通院していただきます。
矯正装置について
矯正装置には不正咬合のタイプや目的により、色々な種類があります。例えば、一般的な歯の表面に付けるマルチブラケット装置、また歯の裏側に付けるリンガルブラケット矯正装置、取り外しのできるマウスピース型矯正装置などがあります。
一般的な矯正装置
マルチブラケット装置(クリアブラケット)
当院でも、最も多く使用している装置です。従来は金属のメタルブラケットでしたが、現在は透明なブラケットに全て切り替えています。矯正の基本を大切にしたスタンダードブラケットと、ワイヤーベンディングの殆ど必要のないストレートワイヤーブラケットを使用しています。またワイヤーの金属色が気になる患者様には、ホワイトワイヤーも用意しています。
効率よく歯を動かすために
歯列矯正用アタッチメント(カリエールモーション3D)
歯列矯正用アタッチメント(カリエールモーション3D)は、上顎犬歯と臼歯に装置を付け、ゴムの力により犬歯から臼歯の4~5本を、まとめて後方へ移動できる装置です。通常3~6カ月で、犬歯から臼歯を本来の位置まで後方移動できます。その後は、この装置を外して、一般的なマルチブラケット装置やマウスピース型矯正装置に切り替え、主に前歯部の不正を改善して仕上げていきます。
この装置により、顎を側方に拡大することなく非抜歯での治療の可能性が高くなりました。欠点として、適応症が限られていること、またゴムの使用時間が短いと予定通り動かないことがあげられます
歯科矯正用アンカースクリュー
顎骨に小さな歯科矯正用アンカースクリューを埋入し、これを固定源として歯を動かす方法です。固定源であるこのスクリューは、歯根膜がないため基本的には動きませんので、確実に安心して目的の歯を移動させることが出来ます。欠点として、簡単ながら埋入手術が必要なこと、また状態により抜け落ちることがあげられます。
金属や、見た目が気になる方に
マウスピース型矯正装置
マウスピース型矯正装置は、透明なマウスピース状の装置をつけ、ご自分で約2週間に1回新しいものと交換しながら歯を動かしていく方法です。1日20時間以上装着が必要で、食事と歯ブラシ以外は殆ど装着します。取り外しができ、目立たなくて良いのですが、難しいケースには適応しないことがあること、使用時間が短いと歯が予定通り動かないことがあります。
リンガルブラケット矯正装置
歯の表側に装置を付けたくない患者様のために、歯の裏側に装置(ブラケットやワイヤー)を付けて行う治療法です。
外からは見えないのですが、ご自分では取り外しのできない固定式の装置です。欠点として難しいケースには適応しないことがあること、矯正料金が少し高くなることがあげられます。
矯正後の後戻りを防ぐために
保定装置(リテーナー)
矯正装置を外した後に、後戻りを防ぐために使用される取り外し可能な装置です。歯が安定するまで一般に1~2年位使用されます。
費用について
矯正歯科治療は、公的健康保険適用外の自費治療となります。
一般的な治療期間は2~3年間、通院回数は24~36回です。
矯正料金
初診相談料初診並びに矯正相談 | 無料 |
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精密検査料口腔模型、顔面規格写真、口腔内写真、レントゲンセファログラム、身体測定、分析、診断などの項目が含まれます。 | 35,000円(税込38,500円) |
矯正装置装着料検査結果に基づいて、不正咬合のタイプ、種類により、 A)~E)のいずれかの料金が適用されます。 |
第Ⅰ期治療
A)200,000円(税込220,000円)以上
B)350,000円(税込385,000円)以上
第Ⅱ期治療(本格治療)
C)500,000円(税込550,000円)以上
D)650,000円(税込715,000円)以上 E)800,000円(税込880,000円)以上 |
処置料矯正装置を装着後、毎月納入していただきます。 | 月 5,000円(税込5,500円) |
Ⅰ期後、Ⅱ期治療を行う場合は、差額となります。
分割払い(最大10回)も取り扱っています。
各種クレジットカードを
ご利用頂けます
リスクと副作用について
- 1.不正咬合の状態によっては、抜歯が必要になることがあります。
- 2.矯正装置を付けた3~4日は異物感や歯の痛みを感じますが、1週間程度で装置に慣れ痛みもなくなります。(個人差はあります)
- 3.歯の動きには個人差があり、治療期間が延びることがあります。
- 4.患者さんの協力状態(装置の装着・ゴムの使用・定期的な通院等)により、治療期間や治療結果に影響がでます。
- 5.矯正装置により食べ物が付きやすくなり虫歯や歯周病になりやすくなるため、しっかり歯磨きする必要があります。
- 6.歯の形態の修正や咬合の調整を行うことがあります。
- 7.治療の経過によっては、治療計画を変更することがあります。
- 8.動的治療終了後は後戻りを防ぐために保定装置を装着し経過観察が必要となります。
- 9.治療後に親知らずにより後戻りが生じることがあり、抜歯が必要になることがあります。
- 10.治療後、顎の成長発育、加齢、歯周病等により歯並びや咬合が変化することがあります。
よくある質問
- 通院は…?
- 一般に月に一回程度で結構です。遠方からの患者様もたくさん来院されています。
- 年齢に制限は…?
- 特に年齢制限はありません。医療技術の進歩により、20歳過ぎの方でも十分矯正治療が可能です。ただ、年齢が高くなると治療期間が長くなったり、費用が余計にかかる場合があります。
- 歯を抜くことがありますか…?
- できるだけ歯を抜かない矯正を心がけていますが、不正咬合の状態によっては抜くこともあります。
- 治療期間は…?
- 不正咬合の状態や年齢などによりまちまちですが、一般的には本格矯正で2~3年(通院回数24~36回)位が多いようです。
- 治療中の痛みは…?
- 矯正装置を付けた3~4日は異物感や歯の痛みを感じますが、通常1週間ぐらいで装置に慣れ歯の痛みもなくなります。
- 歯磨きは今まで通りできますか…?
- 矯正装置が入ると汚れが付き易くなります。装置装着後ブラッシング指導を行っておりますので、しっかり歯磨きをして下さい。
- 矯正料金の支払い方法は…?
- 矯正料金の支払いは、一括または最大分割10回払いとなります。
またはクレジットカードがご利用いただけます。